2015年 08月 05日
外見は普通のお婆ちゃん 自分の追求する絵に命を燃やした日本画家 秋野不矩
日本画家について特に詳しい知識はない私ですが
とても憧れる日本画家がいます。
この方の描く世界・雰囲気がとても好きです。
私が何度も図書館で借りている画集
【秋野不矩 創作の小径】よりご紹介。
もう買えよ、ってほど借りて見てます。
秋野不矩(あきの ふく)
現、静岡県天竜区生まれ。
小さなお婆ちゃんですが
歳を重ねるごとに
どんどんシンプルに、そして力強い作品を残している画家さんです。
日本画らしい花鳥風月をモチーフにした作品。
「舞妓」60代前半
「紅白梅」60代前半
「みずき」79歳
あぁ本当に何度見ても見飽きません。
いい具合に脱力してる所とピリっと精密な部分があって
その力加減が絶妙なのです。
日本でずっと日本画家として活動されてきたそうですが
54歳の時、客員教授として一年間インドへ渡ります。
ここでの感動が猛烈なエネルギーとなって
晩年の力強い作品に反映されていくのです。
のびのびと描かれているのが画集から伝わってきます。
インドをモチーフにした作品。
「紅衣」50~60代前半
「供華・カーリー女神」79歳
「村落」85歳
「オリッサの寺院」89歳
「渡河」93歳
「インド民家の壁」93歳
晩年の作品がすごくいいです。
特に90歳代で描かれた作品に強く惹かれます。
インドというモチーフを得て
日本画という技法を使って
芸術を爆発させたのだと思います。
「オリッサの寺院」なんて
全長7メートルもある作品なのですよ!
なんとパワフル。
普通のお婆ちゃんでも
90歳まで生きてるだけでスゴイのに。
内なる創造の炎は消えるどころか燃えさかっていたのだと思います。
好きな作品は沢山あるのだけど
特に「インド民家の壁」が好きです。
93歳の時の作品は素晴らしい作品ばかりです。
秋野不矩は93歳で他界しています。
アトリエにて。
命を全うするという事は
まさにこういう事なのでしょう。
歳を取ることは
体が弱り老いぼれていくだけの
寂しい事、と思ってしまう私ですが
自分の追求する絵に命を燃やして生きる
秋野不矩の画集を見ていると
何か生きる意欲みたいなものが湧いてくるのでした。
私の憧れの画家さんです。
浜松市天竜区にあります→ 秋野不矩美術館 浜松市役所の案内ページ
まだ行ってないのだけど、この夏こそ行きたいです。
【秋野不矩 創作の小径】→ Amazon